集合住宅という響き

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「それで、いけだ君はうちの会社で何やりたいの?」

「集合住宅です、街に小さな風景をつくるような。大規模開発ではなくて…」

「集合住宅って言う? 普通、マンションじゃない?」

「そうですよね。でも自分のなかでは”集合住宅”なんです。」

「?」

これは、翌年入社することになる不動産会社を初めてOB訪問した時の話。時はバブル期、欧米関連部署にいる多忙なOBに「マンションではなく集合住宅ナノダ」と情緒的な主張をしても、「?」となるのは当然であって…。

以来、そんなこんなで集合住宅、もといマンションに一貫して関わってきました。大規模マンションから低層マンションまでを開発し、地域に張り付くマンションギャラリーも開設しました。規模の大小、地域の特性こそあれ、どれも見紛うことなき”マンション”でした。これも当然ですが…。

そして会社を離れ、独立して10余年経ちます。学生時代に夢想した集合住宅像は何処かへ飛んで行ってしまいましたが、独立後に僕が手掛けてきたリフォーム住戸の殆どが昭和末期の建物。どこか落ち着きと暖かみ感じさせる、暮らしやすそうな建物を選んでリフォームしている自分がいます。三つ子の魂でしょうか。

ところで、前掲写真の書籍は植田実著「集合住宅物語」。私が”シュウゴウジュウタク”と知った顔で発声するのが恐れ多いほどの「ザ・集合住宅」ばかり。戦前の同潤会アパートから戦後のヒルサイドテラスまで描かれています。僕が物件化を検討した”マンション”も載っていてニンマリ。

一体、お前の言う集合住宅とはどういうものなのだ?-と言われてしまいそう。でもどこか違うんですよね、マンションと。それはまたいつか。

都心を離れて

 

「緑の多い、ちょっと郊外で暮らしたい」

僕(の会社)が売主のリフォーム済マンションにも、都心部からの見学やお問い合わせが普段より目立つようになりました。

例えばこのマンション。セカンドリビングを擁する大空間が緑地/公園に面していて、床は杉無垢材。ちょっと別荘みたいです。

一般的に、マンション選びの際に重視するのは何かと問われれば、一番多い回答は「交通の便」でしょう。でも僕は「緑、そしてマンションのつくり」と答える。駅近であるよりも緑豊かであることを優先したいと考えています。

必然的に、僕がつくるマンションは駅から少し離れることに。ですから見学された多くの方が「内装も環境も気に入ったけど駅距離がねー」となるわけですが、「こういうの探してた!」という方に出会えるのがとても嬉しい瞬間です。

テレワークが推奨されて、自室に閉じこもる生活の中で、皆さん何か思うところがあったのでしょうか。でも都心暮らしの方がここでの生活を決断するのはなかなかハードルが高いのです。だってこの辺りは多摩丘陵の端部、坂道がすごいんですよ!

言い過ぎました…。坂道がすごいとは言っても、慣れてくるものです。今ではすっかりへいちゃらの僕も都心部からの転入組ですから。

 

はじめまして

はじめまして、東京都世田谷区にあるスモールカンパニー”株式会社スタジオカーサ”代表の池田です。
Studio?CASA?設計事務所やるの?写真スタジオですか?、と設立当時にはよく言われたものです。
実はこう見えても(どう見えて?)当社は宅地建物取引業免許を持つ不動産業者。
へんなの。
そうなんです、へんなの。
どうしてこんな会社名になったのか、一体何をしているんだ!
それは今後、折に触れてお伝えしていくつもりです。
以後、宜しくお願い致します。

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http://studiocasa.co.jp