整理整頓

今年は早い梅雨明け、と思いきや、戻り梅雨。そしていよいよ、容赦なく日射しが照りつける夏本番です。

と季節を謳ってみるも、暑かろうが寒かろうが現場には関係がない。休みになるわけでもない。そこに物件がある限り、工事は続くのだ…。

ところが、続くはずの工事が突如として止まってしまう。そんなことに気を揉む日々がありました。

写真の端、床に敷き込まれているのはパーティクルボード。新規二重床に必須の建材です。最近、これがもう市場から蒸発してしまって、タイヘンなことに。問屋にも店頭にも無いわ、ネットにもない。

そういえば、今春には給湯器が入手困難になり、工程の調整に難儀しました。しかしパーティクルボードが無かったら、もっと大変です。だって床がないと工事が始まりませんから(壁を先行するなど時間稼ぎもありますが、限界がありますよね)。

「池田さん、仲間がパーチ仕入れたってさ。その仕入先がまだ倉庫に持ってるんじゃないかって。値段は(倍以上)高いけど、最後はソレっすかネ」

「そだね…」

出来れば避けたいけど、あるだけマシか。普通に待っていたら工事が始まらないうちに予定した工期が終わってしまうゼ、トホホ…。

そんな「あるだけマシ」な状況が続き、最後の手段を講じる期日が迫る中…、果たしてウチは(何故か)パーチの確保を完了しました(もちろん通常価格です)、パチパチ。よって、スケジュールも予定通り。うーん、何とツイているのか。これは日頃の行ないの賜物と言えよう、オホン(笑、誰のだ?)

さて、上の写真に戻って大工さんの作業台。始業前に立ち寄ったのですが、ご覧の通り。木材の切れ端が整然と並び、床用ボンドまで横に添えられています。よく見る光景。

いつ訪ねても、材料と道具がキレイに並んでいる。まだ使えそうな端材は、寸法ごとに揃えて立て掛けてある。そんな所作がよく似合う、気持ちの良い大工さん。その清々しさは、小ざっぱりとした割烹の大将が醸すキリリ感、それと相通ずるものを感じます。

建築資材はもちろん有って欲しいけど、なんと言っても人あっての現場です。ボクの描いたフニャフニャの落書きを、アレコレ修正しながらビシッと仕上げてくれる人たち。暑さ寒さがあろうとも、(欠品がなければね…)予定通りに現場は進む。そう思える安心感はとても大きいことです。

ところで、品薄のパーティクルボードが無事に確保出来たのは、誰の行ないの賜物かって?

それはどうやらボクではなくて、現場を仕切る職人さん達のお陰様、というわけですね(笑)

みどりの海原

ウチのような小さな事務所にも、営業電話が掛かってくる。このご時世でも、まだ電話営業が有効なのかどうかは知らないが、とにかくあれこれ掛かってくる。

「マンション用地を探しています」「収益物件の客付けをお願いします」「賃貸管理のご担当者を」「広告を使わない集客方法があります」「原状回復工事は当社へ」「解体業者です」「新規事業にフィットネスクラブのフランチャイズを」「事業資金のご融資は」「事務機器の経費削減に」「池田社長はいらっしゃいますか」「〇〇証券です」「先物取引の‥」‥‥んもーっ!!

「すんません、ウチやっていないのよー」

ウチはチョー狭い事業領域で生きているので、街の不動産屋さんが扱っていそうな業務の殆どが当てはまらない。あ、それから、しゃちょーの資産運用もね‥。だから、なーんも要らないのだハハハ(笑)。しかし逆もまた真なり…、不動産屋の仕事頼まれてもお役に立ちません、あれもこれもやってないんで。トホホ‥、そんな業者でいいのでしょうか。

さて、そんなトホホな我が社(と呼ぼう)も行う、改装工事を施した中古マンションを反復継続して販売する事業は、もちろん不動産業であります(建築業ではない)。この業態は、仲介業者を挟んで顧客と対面、それも契約時だけという、顧客との接点が薄い種族。但しボクの場合は、案内の際も自ら住戸の鍵を開けて立ち会い、あれこれおしゃべりすることが多いのでその限りではありませんが。

そんなウチも不動産情報サイトに自社物件を掲載することもあります。その場合は仲介業者を介さず、顧客を直接にご案内します。

当社掲載物件に興味を持たれて直接見学に来られた皆さんですから、その物件を気に入れば購入、イマイチならば見送り、で業務オワリ。ところが、物件を気に入ったのだけれどタイミング合わず成約済で買えなかった方や、実は条件が合わないのは知ってたけど見たかったんだヨ、という方とのご縁は終わらず、逆にここが始まりに。

そんな方々との出会いが幾つもあり、ここしばらく「物件を探してリフォームしよう」という案件が続いていました。

昨春に探し始めてすぐに物件が決まり、盛夏にリフォーム、晩夏に入居という(業者並みの)スピード記録の方がいる一方で、4年越しのお付き合いでリフォーム完成に辿り着いた方もいらっしゃいます。

リフォーム業者ではなく建築士でもない、「リフォーム済物件の販売業者」と一緒に行う「物件探しとリフォーム」…。あまり馴染みのないハナシですが、考えようによってはアリ?かも知れません(実際、思われた方々がいたわけで‥)。

そして更に今回は、ウチの「リフォーム済物件」見学から始まり、「物件探してリフォーム」検討を経由して、「他社のリフォーム済物件」購入という、予期しないゴールをご一緒した一件もありました。

その方と物件探しをアレコレする中、条件に合う住戸に出会いました。「ピッタリじゃないですか! 」。ただひとつ、(リフォーム済につき)リフォームをする必要がないことを除けば…。

ということで、ボクとご一緒いただいた最大のポイントであろう「一緒にリフォーム」は、ここまで来ると最優先事項ではないと判断。物件購入にはタイミングも大切ですね。

写真は以前に販売した住戸から。実は今回の取得された住戸から見る景色は、これとほとんど同じ。遠くの地平から朝日が上り、やがて夕日に染まっていく。遮られることのない海原のような緑の眺望は、なかなか得難い特等席です。

ベランダにテーブルと椅子を出して、朝日の中で朝食を食べているとお聞きしました。

うんうん、そうでしょう、そうでしょう…。

と思っていたら、引越しのダンボールに埋もれて行き場がないのですって!ハハハ…