仕事納めの夜は更けて

事務所に届いたのはクリスマスプレゼントか。いや、違う。来年のカレンダーと手帳だ。送り主は僕の古巣である不動産会社の常務役員。ウチの会社10周年を機に世田谷へ事務所移転した2年前にも、真っ先に駆け付けてくれた先輩でもあります。若い頃‥

先輩:「池田が俺より偉くなったら、俺はちゃんと”池田さん!”って呼ぶからな。(オレはその辺の区別はキチンとしている‥という意味)」

おいら:「当たり前でしょ、練習しておいてくださいよ。」

先輩:「わかりました、池田部長!」

なんて、お互いに切磋琢磨?した先輩も、今や経営の舵を取る立場(え、そうでもないの?)。※ボクの古巣はその当時、(製造業などtraditionalな企業と違って)年長者が後輩に「敬語」で接する文化は(ほぼ)なかったので、先輩が後輩にいきなり「さん付け」するのは覚悟がいることだったのです、多分‥。ハハハ、今は昔ですね。

そんな敬愛する御仁から有難く来年のモノをいただくと、気分はすっかり仕事納め。サラリーマン時代は、大体29日が最終日だったなあ‥(遠い目‥)。

ふと思い出したのは、ある年末最終日のこと。その前日に酔って足を滑らせ、盛大に顔を擦りむいたと言うより剥けた(ことに翌朝気付いた)僕は、(何をする時間もなく)小さな絆創膏数枚を持って、新幹線の中の人となりました。取引予定企業との初顔合わせなのですが、お相手はさぞビックリしたことでしょう。あちこちの生々しい傷が絆創膏からはみ出しているのですから‥。そんな(相手にとってもボクにとっても)トホホな役目を終えて奥州の地から帰社したのは、終業時刻を随分すぎてからのこと。既にボクのデスク以外はキレイに片付いて(年末だけデスク上の山が消えるのです‥)、ビールと乾きものと(こちらを向いて)笑い声が‥。

今の僕には仕事納めの線引きも不明瞭で、気がつけばもう年末という感じ。そんな折、送られてきたカレンダーに、旧き良き風景と情けない自分、そんなものを懐かしく思い出しました。へへへ‥

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