
夏が白い波をあげて沖へ去って行く
離島へ向かう客船を追いかける波跡のように
さらば夏よ、また逢う日まで‥
ナンチャッテ。
いまわ~もぅあき~ だれも~いないうみ~♪
ご存知ないですよね、トワ・エ・モア。なにせボクが生まれた頃の唄ですから‥。
そんな古い歌が口をついて出てくる、秋のはじまり。
いつもなら夏のうちに、北海道から大きな秋刀魚の初物がやってくる。ちょっと高いけどこれは特別だね、と奮発して買えるくらいのヤツ。その時ばかりは熾した炭をテラスに置き、夕闇に乗じてじゅう~っとやる。小さな楽しみ。
そんな「もうすぐ秋がやってきますぜ!」の号砲(さんま)が夏に鳴り、しばらくして本当の秋が来る。すると(既にサンマを食べているので)身も心も、秋を迎える準備万端‥
‥だったのだが今は違う。何の心の準備もないままに、いきなり朝の気温が下がる、秋の風を感じる、ときている。
なんだ、いまはもうあき、なのか?
もちろん今夏も、我が町に秋刀魚が来なかったわけではない
でも細くて高っか~いのよ
さらばサンマよ、また逢う日まで‥
というわけで先日、千葉産の小さめ鰯を買ってみたら、これがサンマに負けず劣らず良いではないですか。サンマの場合は教条的に塩焼きとなってしまうのだが、その点イワシは気分がカジュアルでフレキシブル。和洋なんでもござれだ。頭を落としてキレイなワタ(サンマでは喰うが)を抜いてみると、うーむ思った通りの身。芋とニンニク、摘んだローズマリーを絡めてオーブンに放り込むだけ、あー簡単。
(‥待つこと暫し‥)⏳
旨いぢゃないか!秋もイワシに限る(負け惜しみではない)。
というわけで、アジだイワシだサンマだと庶民的な青魚があればタイチョウプなワタクシ。なんだか「さんまロス」を乗り越えられそうな気になってきたゾ。
そうだね、秋へ行こう!


