そんなこと気にしないけどね

(左)復元前  (右)復元後

これは奥多摩の杉無垢材を貼った床です。同じ場所の写真を、時間軸に沿って二枚並べています。

さてどちらが先の写真でしょう?

答えはキャプションにある通り、左写真がで、右写真がそのです。大きな傷が跡形もなく治っています。直るではなく、治ると敢えて言いたいところ。

なんだか、やらせみたいですが本当です。その証拠に、左写真にある縦長の傷跡が、治りきらずにうっすらと右写真に残っているのが見えます。

この住戸はリフォーム済で販売しました。室内の床は(浴室以外)全て杉の無垢材を貼っています。広く不特定多数を対象に販売するリフォーム済住戸に、杉無垢材を貼るというのはあまり聞きません。

一方、アンダーコントロール(!)にある住宅建材であればピタッと狂いなく、沈着冷静に納まってくれます。表面もカチッとしているから傷も付きにくいし(一旦傷つくとタイヘンですが‥)。

それとは逆に杉は手が掛かるんですよ。傷が付きやすいし、日焼けもするし。もっと言うと、季節によっては反ったりもするし‥。誰かの手に渡るまでの管理には気を遣います。

それなのに、わざわざ使っています。杉ならではの柔らかさと温かさ、経年変化を楽しんでいただける方にお会いできるから。普通はご自身でリフォームしないと使わない素材ですから、ある意味貴重なんですね。

最後に、写真の傷の件。杉はたくさんの気泡を含むので柔らかく感じる反面、それが潰れて凹みやすい。ですがその組織は元に戻ろうとするようです。タオルの上からアイロンの蒸気を当ててることで、写真のように元に戻る(こともある)のです。

まぁ以前にも書いた通り、住んでしまえばそんなこと気にならなくなるし、いちいちやっていられませんけどね!

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