ガラス越しに見えたモノ

左右に並んだ二枚の写真。
左は玄関から洗面室の扉。
右は洗面室の内側の様子。

玄関から入ってすぐ、廊下との間にドアを新設した。大きな透明ガラスが入った白い扉は、白壁と馴染んで存在感を消しているので圧迫感はない。

なぜ、ここに扉を付けたのか。それは寒い玄関だけを切り離して、廊下を居室側の空間に引込むため。洗面室浴室に行くたび、玄関から侵入する冷気に「寒ッ‥」ともならず、穏やかな環境を保てる。

これは自宅を含めて何度か試しており、それなりの効果があるように感じている。物理的に寒暖を防ぐだけでなく、外側と隔てる扉がもう一枚あることで、心理的にも落ち着くことが理由なのかもしれない。

話は飛ぶが、開放廊下型マンションの場合、外廊下に面する居室の「落ち着かない問題」がある。他の居住者の通路であるから「壁に耳あり障子に目あり」、オーバーに言えばそんな環境で暮らしているわけだ。
通風のために窓を開けたい、自然光が欲しい、歌いたい、うーん、おもぃっきり放屁したい!
外廊下のある住まいでは、そんなささやかな望みが夢のように思えてくる(のか?)。

そんな時に、先の「玄関に扉、もう一枚!」と類似して「外廊下側に、壁と窓、もう一枚!」は有効な手段だろう。
なに、部屋が狭くなるって。
そうそう、狭くなる。(けれど、その隙間スペースもまた豊かな空間になるのだよ)
すると、元の「3LDK田の字型」間取りは成り立たないかもしれない。n+LDKという「不特定多数対象型新築分譲時プラン」とはGoodbye、の時かもしれない。

それでいいのだ。
予算や場所、間取りを縦横無尽にスライドして検討できることが、中古マンション購入の強み。予算を下げたり、場所を変えたり、そもそもの物件選びの基準を変えてみる。リフォーム内容の幅のあれこれも加えると、選択肢は無限大。楽しくなってきたゾ。

もちろん「目の前が外廊下でも、いいじゃないの~」という方が大多数かもしれない。
「将来売る時も、普通間取りの方が売りやすそうだし~」とか。
その場合には、これらは戯言として聞いておいてください。

さて、もう一度上の写真。
焦げ茶色の扉は(手前の白い扉とは違い)彫りの深いルーバー扉。羽根も無垢材で作られ、指一本でルーバーが回転する、ちょっとグレードの高いものなのだ。

2年ほど前、このドアをたくさん採用した際に誤発注をしてしまい、1枚がお蔵入り。いつかいつか、と言いながら機会を逸していたのだが、「いけださん、そろそろ使ってよ」の声に遂に日の目を見ることに。

玄関開けて、ガラス扉越しに見えるこの扉。
かなりカッコええス。
でもさ、洗面室にルーバーってどうなのよ。
うーむ、くれぐれもイタズラをいたしませぬよう(笑)

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