風景になる建物

緩やかな傾斜地に豊かな表情を見せる低層住宅

よくある特集「あなたはマンション派?、それとも戸建て派?」

雑誌やWEB上で見かけますね。それぞれの長所短所を列挙しているので参考にはなります。ただ、どうしても最大公約数の一般論になる。

気になる意見で「マンションは四角い箱の画一的間取りでつまらない」というものがあります。…確かにそう。でも、モット・面白イコト・アルヨとも思うので残念。だって、僕が飽きずにマンションだけを扱っているのは、つまらなくないからです。次に理由のひとつを挙げます。

理由のひとつ。時代背景、敷地条件、設計者、チャレンジする開発業者などの要件が整って出来たと思われる、オッと思う素敵なマンションストックに出会うことがあるから。僕はマンションの開発事業に長く携わってきたので、そのレアさを実感します。

そんなマンションは、街の風景として楽しい、敷地を歩いて楽しい、室内で暮らして楽しい。集合住宅だからこそ可能な、豊かな空間に出会うことがあります。そんな物件を暮らしやすくリフォームしたら、もっと楽しくなるでしょ?

学生時代の僕が初めて飛んだのはモロッコ。アトラス越えてサハラへ、地中海を渡りスペイン、イタリアへと続きます。あちらは集まって住む(集住)ことの歴史が長い国々。その街と建物が楽しい。だから僕の旅は、観光せずに街を歩いて空気(酒?)を吸う旅です。立場こそ変われ、ずっと集合住宅に関わり続けているのは、その頃感じた光と風がまだ自分のどこかに残っているからかも知れません。

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