家は焦らず ‐You Can’t Hurry Home-

「時は過ぎていく‥」

漆黒のページに、文字はそれだけ。真夜中の空を、三日月(の顔をした)男が自転車で走り去っていく‥。小さい頃に読んだ絵本の1ページです。

いやー、何だかドキドキしますねー。コドモにはちょっとコワカッタ、だって今も覚えているくらいですから。そうです、時は過ぎていくのです。自転車が行く三日月の夜も、月のない夜も、音もなくスゥーッと日付は変わる。

何だか不思議な書き出しになりました。ここでは時間のことを。表題にある通り、「家(探しは)は焦らず、でもゆっくり急げ」です。

普段、あまりお金のことは考えない(そんな業者がいるのか?)のですが、だからこそ改めてちょっと思ったコト。それは、家の購入に際して、タイムイズマネェ、つまり時間はカネであるということです。

「あと何年かのうちに‥」「子どもが小学校に入る前に‥」とそれぞれ、自分で決めた購入リミットがあります。たくさんの方とお会いしてお話をする機会があるので、よく聞くハナシ。「だから急いでいないんです、いいのがあれば‥」。そして「予算は〇〇万円までで、3年後までに買いたいのよ~」。

でも、今の予算と3年後の予算、同じでいいんですか?だって今後3年間の累計賃料は(例えば)300万円ですよ。人生で用意する住宅資金が一定ならば、3年後の予算は300万円低くする方が良いのでは?

でもそんなこと普通考えないですよねー。これから3年間も貯金するから大丈夫、となるわけで。その場合は、中学受験でいうところの流水算。つまり漏らしながら、貯めていく。いくら貯まるでしょう。この問題は、受験生でなくても解けそうですね。

逆に、今購入するなら予算を300万円上げることも、理屈の上ではアリなのでは‥。

僕は、無駄はあっていいと思う方ですし、納得のいくものを選ぶことが大切だとも思います。でも、前述した話は、気付かずになんとなく流れていくような気がして、改めて書いてみました。

「いいものがあれば」の「いいもの」って何?リフォームも考えてみたら?‥「3年後までに」ってどうして「今じゃダメなの」?

もう少し突き詰めてみたら、動きたくなる方もいるんじゃないでしょうか。思い立ったら、スグ(頭だけでも)動き始めてはどうでしょう。特に大家さんに賃料を納めている場合には。そうやって始めても、物件選びはなかなか進まず、時は過ぎていく‥のですから。

あ、でも誤解なきよう。スウヒャクマンエン?そんな小さなことは気にしないんだヨ。と、ドーンとおっしゃる方にそんな説法はしません‥。

ところで冒頭の写真は、生田緑地に存する日本民家園。日本各地の古民家や小屋(すべて文化財です)が点在し、「どこでもドア」を開けたかのよう。どの季節も散策が楽しく、年間パスポートもあります(僕も一度所持しました)。もうすぐ三日月ならぬ、中秋の名月ですね。園内どこか旧家の縁側に、団子や柿のお供えを見付けることでしょう。秋分も過ぎて、いよいよ秋ですね。

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