理想は遠きにありて

唐突ですが問題です。和訳してください。 「..Indeed, it has been said that democracy is the worst form of government except all those other forms that have been tried from time to time.」

解答(例):「‥実際には、民主制は最悪の政治体制と言えます。ただしこれまで試みられた民主制以外のあらゆる体制を除いてのハナシですが‥。」

英国首相チャーチルの有名な一節です。なぜか夜中に断片を思い出したので、調べて書きました(ですので、そらんじているわけではありません)。世界大戦後の議会演説時のものですから、その他の政治体制との距離感も微妙なのでしょう。(ちなみにこの一節が、民主制がお疲れである昨今の発言だとして聞いてみると、我々にどう響くでしょうか‥)

政治家であると同時に作家(ノーベル賞!)であるチャーチル。ついでにその他の語録を眺めてみても、ほーっ、と唸ってしまうものばかり。(チャーチルはここまで)

さて、ある人がいました。「中古を買ってリノベーション」で「理想の我が家」を熱望して資料を集め、ショールームを廻り、リノベセミナーにも参加した末に決めたリノベ会社。その営業担当の紹介で選んだ物件。そして、やりたいことをリスト化し、すべてを叶えるべく全力で打ち込んで実現した「理想の我が家」、ついに完成!

すると、担当者はこういうのです。「今回はイマイチのリノベーションでした。もっとも、これまでに当社で行ったリノベーションに比べればマシですが‥。」

えっ、ナニ?

つまり、今回のリノベ、オタクで設計施工したこれまでのモノよりは、マシである、と?

ちょっとこれではカワウソーですね。さすがにそれはないでしょうが、意外とそんなモノだ、と思っておいた方がいいかもしれません。

もちろん、そんなヘンなモノをつくる訳がなく、こんな変な担当者もいるわけありません。スミマセン。でもやはり、そうやって常に進化、良化していくのでしょうし、最終の正解もない。出来上がってみて、初めてわかることがある‥。(スミマセン、ウチのことです)

よく見掛ける広告に「理想のリノベーション」という文句があります。なんか似たもの見たことあるゾと思ったら、「理想の結婚」という広告。「辛口の現実を知ってもう一度夢を見る」年頃になってしまったボクには、「理想」という言葉は遠きにありて思ふもの‥。

そんな理想と共に着地するために‥。「結婚前は両目を開けて相手をよく見よ。そして今日からの生活では片目をつぶって‥」というスピーチ、少し前の結婚式ではお決まりでしたね。リノベーションも同じではないでしょうか。想像の翼を大きく広げて、よーく考えて。予算決めて絞り込んで、工事を始めたら片目をつぶって‥。

そうやって、広げたり縮めたりを自在に出来るようになれば。きっと楽しく心地よい、新しい暮らしがやってきますよね、きっと!

普段はリノベーションという言葉を使いませんが、「リフォーム」では雰囲気が出ないので「リノベーション」としました。悪しからず。

Facebooktwittermail