そう言われてみれば‥

写真左側の箱は何でしょう?

そういえば以前にも、同じような問題を出しました。箱って言えば、そんなの靴箱に決まってるだろう、と思ったら‥違った。というハナシ。ちなみに前回の答えは、洋風の和家具(アンティーク)の置型キャビネットでした。それを玄関靴箱に転用したわけです。

では今回、上の写真は何の箱?

答えは、キッチンキャビネット‥。

そうです、キッチンの上部吊戸棚とよぶアレです。彫りの深い木製扉に金属製の取っ手。オーク材を載せて、ちょっと男前な靴箱になりました。内部棚板の位置も細かく調整できますし、棚板枚数の追加も容易なのは、機能的なキッチン用ならでは。

この住戸の玄関は幅が広くゆったりしているので、存在感のある靴箱をつくってみました(販売済です)。

このように幾つも販売用リフォーム済住戸をつくっていると、中入り玄関(と呼ばれる)住戸は玄関廻りが落ち着いているなぁ、と思います。つまり、玄関ドアを開けると正面が突き当りになっていて、左右に廊下が伸びているパターンです。例えば、右がLDKエリアで左が寝室というような。

通常のマンションの場合は、玄関ドアを開けると、廊下が真っ直ぐリビングまで伸びています。そして、玄関は左右の居室に挟まれた場所なので、幅が最小限(廊下幅と同等)となってしまうのです(もちろん、吹抜けやポーチなどで玄関位置をずらして、工夫された住戸もあります)。

中入り玄関の場合には、玄関を挟む左右居室の呪縛がないので玄関ホールを(僅かながらも)広く出来、突き当り正面の壁も活かすこともできますから、ゆとりが生まれ表情も豊かです。また、室内が見えにくいのも落ち着きに一役買っています。

そして何よりも、中入り玄関は「2戸1階段」つまり居室が開放廊下に面さない「両面バルコニー」である場合が多く、一層落ち着いた室内環境が整っているとも言えます。

結局、2戸1階段マンションのススメ、のようですが、これは総論。実際はバリエーションも多く、一概には言えません。ただ、そんな間取りの違いに着目してインターネット上のページをめくると(スクロール、か‥)、今までスルーしていた住戸の中から新たな発見があるかもしれません。

なお、上の写真は、中入り玄関でも両面バルコニーでもない、もっと変わり種の大型特殊住戸でした。どうもすいません。

Facebooktwittermail