男達の晩夏、それとも晩秋

成城大学に向かう銀杏並木

こんな時期に、(マスクをしてまで)会おうぜ!と言ってくれる旧友がいて(嬉しいことか、それとも困ったことなのか‥)。この秋、こんなご時世だからとわざわざ都心を離れた場所で会ったというのに、酔ったひとりがゴールデン街に行ってみ・た・い(君は観光客か‥)、と言い出して‥。何もこんな時に、と思いながら閑散とした路地に足を踏み入れると、やはり外国人観光者が来ない影響も大きい、と店主。僅かばかりの売り上げ貢献をして、早めに街を出たのは言うまでもないけれど‥。

よく言われることだが、この年齢になってくると同窓会が増えるようだ。先の旧友も、高校時代の同好会メンバーで連絡が付かないひとりを探していた。「(就職時に)〇〇銀行に行ったんだけど、知りあいの同期で誰か(消息を)知らないか?」 あの頃のようにまた一緒に山登りしたいのだ、と言う。なるほど、まさに働き盛りの時代を過ぎつつある、男の晩夏、いや晩秋を感じる一瞬だ。

それなりの組織で、それなりの役目を演じながら、最終コーナーを廻った男、まだ階段を上っている男、(僕のように完全に降りているオトコ‥)。人によっては、子供と二人三脚で走ってきた季節が過ぎてぽっかりと穴が開いたり、昔むかしに心ときめいた誰かと再会したりもするのだろう‥。

そういえば、大学の同窓会で幹事を頑張っていたヤツは、今まで仕事一筋だったが、これからの人生の交友関係をここでつくりたい!(とキッパリ)と言っていたな。(オレはいいや‥)

ボクの周りには、それなりの年齢になってから企業を離れ、自分の道を歩んでいる人達が(少し)いる。企業人時代の専門を活かした開業が多いのだが、ちょっと素敵なのが、探偵や指圧師になった先輩たち。企業で成果を上げていたから、しっかりと太い「はず」の軌道を自ら脱線し、(なんの保証もなしに)いい歳して一から学び直したのちに事務所や店舗を開いている。もちろん、それを仕事にしたいワケについては、僕も聞いてよく理解できるのだけど‥。そこにポンッと飛び出す跳躍力は、まるでカエル並みじゃないか。

僕も組織から外れたので、その意味では季節感がない。狭義では人事異動の季節も関係ないし、広い意味では出向転籍や定年もないので晩夏も晩秋もない。ここは常夏か?それとも厳冬の地か? えっ、それとも黄昏時なのか!?

黄昏時‥。毎日の暮らしの中では、ほっと一息つく時間。毎日の黄昏時は歓迎。マジックアワーにブルーアワー、手を休めて空を眺めよう。

冬至を前にして、すでに夕方の日は長くなり始めていることをご存知でしょうか。逆に、朝はまだまだ遅くなり、反転するのは1月中旬だということも。冬に突入したといいながらも、少しずつ早くなる夕暮れ時に、春の芽を見つけようというのは、さすがに気が早すぎますかね。

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