これでいいじゃないか

シンプルな造作キッチン。タイルを貼った。フードは旧いものを磨いて、いい味出してる。

団地の一室をリフォームした住戸です。説明すると‥‥

杉を貼って、壁と天井を白く塗ってます。ガスと水道が使えます。設備は全部変えてます。以上。

もちろん、実際の工事はそれだけではない。

床も間仕切りもほぼ撤去。防水パン新設につき洗面室からトイレまで一から造って、浴室は轟音と振動のなかでタイルとモルタル剝がし。給排水管はルート変更して新規敷設。新規配線は露出を避けて‥と見えない箇所の工事が続く。

水平や直角、当たり前のことするにも大工泣かせ。中古、特に団地は剥がしてみなけりゃわからない、出たとこ勝負の場面が頻発です。

そんな苦労は表に出ない。見た目は杉無垢床と白塗装壁で簡素な装い。となれば、システムキッチンは気分じゃないから、現場造作で。これも簡単に言えば、天板に穴開けてシンクとコンロ載せて配管つなぎました。これでキッチン。

もちろん、そこまで簡単ではないけれど。でも、水と火が使えれば台所、でいいんじゃないのか。ぐっと絞った機能で、シンプルに作ること食べることを楽しめればいいんじゃないか。どこかの鍋屋の調理場は、半畳ほどに流しと板場があるだけだと聞いたゾ、と。フロも洗面も同じこと。そんな風に考えています。

ちなみにこの住戸、フロの追い焚きはあります。でもこの前、他の住戸で前述の通りシンプルを追求して追い焚き止めたら、後に購入者となる方に、えーっ追い焚きないんですか!と言われました。すいません、想いが先走って‥。やっぱりこの辺が限界なのね、と思いました。

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