和室の二間続き

おっ、懐かしい和室二間続き。いいなぁ、これ。

新人当時、担当したマンションに和室二間続きの住戸がありました。この図面と似た箱(和室側間口が3.6m)に、和室2室が同じ横向きに並んでいました。そのべろーんと大きな二間続き、なんだかスゴい間取りだなー!と。でも、どこかでマンションにはない心地よさを感じたのです。※ちなみに和室が縦向きで6帖間+4.5帖間と並ぶ続き間はそこまでの迫力が出ません、随分違うものです。

その時以降、そのスゴい和室二間続きを見掛ける機会はありませんでした。だって、あまりこれ、つくらないよなぁ。4LDKですと言われて見たら、ビックリしますよね。

当時の和室に似た、上の間取りを再発見したのは、僕が何度か手掛けている大規模団地内。この間取りは戸数も多くはない筈で、まだ実際に関わる機会はないのだけれど、どうも気になるのです。新人時代に受けた印象が去来して‥‥。

普通にこの間取りをリフォームする場合は、この和室二間続きは洋室×2室に変更となるでしょう。でも、なんかなー。和室二間を活かしたいと思うのです。

この図面のLD・和室部分を、居心地の良い料理屋と思ってみる。厨房を横目に中へ入ると椅子席がいくつか(リビングダイニングの部分)、隣には一段上がって奥行のある座敷(和室続き間)。床はさっぱりと杉がいいかな、それとも濃いめの色を付けるか。上がった座敷には麦色の畳、いや板敷か‥。

つまり。つるっとしたフローリングやカーペット+畳という組合せをやめてみる。リビングと和室に高低差をつけることで、リビング床に寝転ぶような感覚に襲われる和室をやめてみる。すこし粗削りで安価(予算問題)でも素材感のある木材を多用する。ぽつんとある和室でなく、厨房から座敷まで連なる心地よい空間を描いてみる。

本格的な和室でなくてもいいじゃないか。床を30cm上げて、腰掛けるにも良し。おっと、天井高あるか?壊すと高いな。そもそも押入は壊すんだから、天井全部やり替えだろう。掃出し窓と座敷のあいだは、半間分を空けて‥

と、未だ手掛けるあてのない間取りを眺めて、脳みその筋トレをしています。

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