辛口の現実と夢

辛口の現実を知ると、大人はもう一度夢を見る

なぜか覚えていたこのフレーズ、30年前の自動車広告の一文(たしかこんな感じでした)です。MAZDAサバンナRX-7というスポーツカー。搭載するロータリーエンジンは、各社が実用化を諦めるなかでマツダだけが磨き続けた特殊な回転運動型エンジンでした。このフレーズに違わずマツダ自体も厳しい現実に直面し続けていますが、夢を手離さず持ち続けている会社だと感じます。

スポーツカーに乗るオトナが見る夢、とはちょっとキザでビミョーです。しかし、家についてもこのフレーズは、そのとおり!と思います。

昔に思い描いたような暮らしとは無縁だけれど、今は日常の小さなことが嬉しいと思える。小さな家は少し古くて小さいけれど、きちんと手入れをして、味わいが深まっていく。そんな光と風が抜ける家には、小さな夢があるのではないでしょうか。

僕は、手頃でちょっと楽しい住戸づくりに携わっています。手触り感のある素材を多用します。つくり込み過ぎず、詰め込み過ぎず。設備機器もふつうのものばかり‥。そんな家(マンション)にとても親しみを感じています。

簡素なものに宿る心地のよさは、モノに溢れる現代暮らしのなかでは感じ難くなっています。でも、よく目を凝らし耳を澄ませば、暮らしのなかに何かを見出すことは難しくないですよね。そんな暮らしの土台になれるような家を提案していきたいと考えています。

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