
中低層マンションを好んで手掛けていますが、一度だけタワーマンションで暮らしました。
ちなみに、僕にとってタワーと言えば、中央区佃の大川端リバーシティ。まるでマンハッタン(?)のような美しい夕景のシルエット、隅田川と下町。日本らしいコントラストのウォーターフロント開発に、心がときめいたものです。佃といえば佃煮、そして徳川と共に江戸入りした漁師の町と聞く。いいじゃないですか。
話を戻します。僕が居住したタワーは杜の都の外れにありました。旧市街の外側にある広大な森のすぐそば、バブルの頃に計画された31階建タワーマンション。転勤先での借家です。
借家探しのため仙台へ。地元の業者さんのアテンドで候補物件をひとまわり、そしてため息。仕事柄(いやそんなことはない、個人的な性質だろう)、借家とはいってもフツーの建物、間取りじゃないのがいいわけ。
もう他に無いのならば、と僕が取出したるはタワーの賃貸図面。「今からこれ見たいのよ」「えーっこれ不便ですよ!」「いいじゃないの、連れてって。」
かくして私はタワーマンションの住人となりました。
このタワーに目星を付けていた理由のもうひとつは、広大な森に近接していること。なんと最寄り駅は森林の向こう側で、霧の中を行く朝は最高に気持ちが良い。でも深夜はその真逆。こわいのなんの!普通、通れません。
ということで、夜は遠回りをして住宅地を抜けて帰ったり、バスに乗ったり、こわごわ森を歩いたり。それでも何とかやり過ごし、気持ちよく暮らすことができたのはやはり、緑あるのは七難隠す、と僕は思っているから。
でも、住んでいたのは3階部分なんです。ごっつい避難階段使ってました。エレベーターあまり乗らなかったな‥‥。
全然タワーマンションの話になりませんでした。間取りとか、眺望とか、共用部分にも触れなかった。ということで表題は、杜の都の”森”にしておきますか。


