
ないものはない!
スパッと、言い切る潔さ。
さて、その意味は次の①②のどちらだろうか。
①ないものはない
②ないものはない
なんだ、どちらも同じぢゃないか‥
ちがうちがう、そうじゃない。
①は「ないけど、それがなにか?」
②は「なんでもあります」
島根県の沖(おき)にある隠岐(おき)の海士町(あまちょう)をご存知だろうか。
知る人ぞ知る、そして知らない人も知っている(かもしれない)、地方創生の旗手。
この町は①の「ない」。
そして町のスローガンは「ないものはない」だ。
ないモノはないけれど、本当に必要なモノはある。
ここにないモノって、本当に必要なモノなのか?
ほしいほしいじゃ、際限ないぜ。
そんな心意気。
都会からも人が移り住み、活気が生まれる町がそこにある。
あれも有ります、これも有ります、と無理して飾っては(ヒトもモノも)本当の魅力は見えてこないのかもしれない。
ウチのつくる物件も、ある意味①なのか。
少なくとも②ではないことだけは間違いない。
追い焚き無いですけど、何か?
食洗器無いですけど、何か?
オートロック無いですけど、何か?
エレベーター無いですけど、何か?
(おーい、なさすぎだろ!)
でもさー、光と風が抜ける気持ち良い暮らしありますケド、何か?
なんて言ってみたいが‥
一方、②の「ないものはない」と言える代表格は百貨店(だった‥)。
ワンクリックで世界中から(結構)何でも取り寄せることができる昨今、
なんでもあるはず(だった)百貨店には転機が訪れているみたい。
ガムバレ百貨店!
君はこれから何を売るんだ。
そんな百貨店の全盛期に、こんなコピーがあった。
ほしいものが、ほしいわ
懐かしーッ、西武百貨店だよ、それ。
ほしいものは欲しいからほしいもの‥、と永遠ループの迷子になってしまう。
干し芋の‥?
当時は、既にモノが溢れている時代。
もっともっともっと(買え)、より便利に、より快適に‥
でももう、自分のホントウに欲しいものも自分ではわからないわ。
そんなことになっていた時代に放った、一本のコピー。
当時の西武だからこそアリだったのだろう。
でも、もっとモット‥の状態は今も続いているのかもしれない。
そしてそこから脱出する、①の流れも確実に‥
と書きつつ、風呂でこんなコピーを思いついたのだが、どうだろう。
ほしいものは、ぜんぶ私のなかにある
これではなにも売れませんなあ。
-おしまい-


