きらきら光る

ここは津和野ではありません(‥わかるよ)。それでも、幅広い水路と石積み(風)の護岸があり、秋の陽射しを反射しながら水が流れる風景は、普段見慣れた街角とは少し違って、ゆったりとした気分になります。水路の中に鯉は見当たりませんね(笑)

多摩川にほど近い町の一角。この辺りは400年以上も昔に、多摩川の水を引き込んで新田開発された歴史を持つ地域です。この水路もその末裔でしょうか。100m程続く開渠になっており、大区画の敷地がそれぞれ橋を渡して接しています。従前からの屋敷のようですから、昔の面影を残す風景と関係があるのでしょうか(水路は官有でしょうが)。

ところで‥。ボクはこの「水路のある町」に程近い「丘陵エリア」で、リフォーム&販売を随分と手掛けてきました。その反面、(思い起こすと)そこから坂を下った多摩川沿岸エリアは殆ど実績がありません(近いのにちょっと極端ですね…)。最寄り駅までフラットで近い、ということは買い物などの利便性も(それなりに)高く、日常生活には却って好適です。というよりむしろ、平坦地が好まれる方の方が多いですよね。

逆に、丘陵(急陵とでも書くべきか‥)を選ぶのはちょっと物好き‥。いやいや、違いの分かる人‥と、いうことにしておきましょう。いずれにしても緑のある風景はいいですね。

つまりボクは坂道があり、そして(必要以上に‥)樹々の茂る場所をつい選んでしまう。その積み重ねの結果として、物件が偏在したということ。便利だから、人気だからという理由では、なかなか別の方に目が向かなかったのですね。

そうは言っても、水のあるところは素敵な場所が多いです。東京から見て多摩川の先(川の先、即ち川崎)と言えば二ヶ領用水。前述の通り400年以上前から田を潤してきた水のみち。川崎市北端部の多摩川から取水して平坦地を巡るく二ヶ領用水の本流は、(現在では)水辺と緑の散策路として整備されている箇所が多くあります。桜の名所であるにとどまらず、日常の風景として街に溶け込んでいる。言うならば、生活道路ならぬ生活水路とでも呼びましょうか。当たり前のようにそこに在る、そんなさりげなさです。

ずっと昔、ボクの祖父さんがオトーサンだった頃、有名な二ヶ領用水の桜を見るために一族で都心からはるばるやってきた。けれど(なぜか)見つからずに諦めて帰ったとさ、と聞いたことがあります。ということは、ボクにとっても因縁の二ヶ領用水‥。「お祖父さん、確かにここの用水路と桜は見事ですよ‥。」

そんな二ヶ領用水とそこに茂る樹々を臨む、素晴らしいロケーションの中古マンションが幾つか存在しています。以前から気になっているのですけど、なかなかご縁はありませんね‥。

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