バー、バル、バール、 ババール、バルバル

吐く息が白い冬の朝、まだ薄暗い街角の冷えた石畳を歩く。明るく灯る一角は、早朝から開くバール。秋の終わり頃まではガラス越しに、新聞片手の客や店主の様子が見えた。けれども12月も半ばを過ぎると、窓がうっすらと曇り、店内がぼんやりと映るようになる。そんな些細なことで、あぁ冬になったのだ、と思うのだ。

そう、そんな寒い朝は暖かなバールに足が向いてしまう。ドアを開けると漂うカフェ(エスプレッソ)の香り、温められたコルネット(パン)も甘く誘う。抽出するマシンの音、客たちのざわめき‥。サッカー談議、新聞記事をめぐるあれこれが聞こえてくる。そしてカップの中の液体を飲み干すと三々五々、皆が店を出ていく。それぞれの一日が始まるのだ。(※これはイメージです)

寒い冬の朝、暖かく賑わいある店内が目に浮かびます。え、浮かばない? 

香り高いエスプレッソ、そして街角のバールと言えば、これぞ大衆イタリア。でもこれらは以外にも歴史は浅く、エスプレッソが本格的に普及したのは戦後で、その舞台となるバールの由来はアメリカにあったのですって。

気軽なカウンター立ち飲みスタイルのアメリカンバーがイタリアに入ってきたのは20世紀初め。そして同じ頃に誕生したのが、注文に応じて1杯ずつ素早く(即ちエスプレッソ≒急行で)抽出する機械(エスプレッソマシンの原型)。この二つがタイミング良く結合したおかげで、エスプレッソが世に街に出ることになったようです。その後、戦時中に敵国名が外れて(でも同義の伊語がなかったので)単に「バール」となって戦後を迎えます。そしてマシンが改良・量産されたことで、エスプレッソを安く、早く、立って飲める庶民憩いの場所となったバールは、瞬く間にイタリア全土へと普及していったのでした、めでたしめでたし(えらく駆け足ですが‥)。ということで、エスプレッソの誕生と普及には、マシンの開発とアメリカンバーが不可欠な両輪だったわけです。

閑話休題‥。冬の風物詩として思い浮かべるのは、

「結露ですね」(‥?)。

さすがにそれはないでしょうが、比較的旧い住宅に暮らすとなると大なり小なりついて回るのが結露。住まいや暮らし方によって発生の程度は様々、またその付き合い方も十人十色です。極端な話、解消するなら室内外の温度差をなくせば良いのですから(冬にそんなことしたらタイヘンだ‥)。

というわけで、我々と一心同体とも言える結露(そんな心配ご無用!の住まいもたくさんありますが‥)。どうせなら幸せな結露生活をしたいものです。「しあわせは いつも じぶんのこころがきめる」と相田さんが言う通り、心持ちが大事。バールに立ち寄るイタリア人(?)のように、曇ったガラスに冬の到来を知り、思いを馳せてみれば‥

そんなに甘くないんだ! 窓びっしょりなんだよ!

そうです、その通りですね。解決方法は、①ペアガラスに替える※、②インナーサッシを付ける、でしょうか。①:アルミの窓枠は変わらず結露する、②:開閉が面倒である、と一長一短ですが、かなり改善されることでしょう。(※①の場合、管理組合との協議が必要です)

それだけでなく、暮らし方も大事。心掛けることは‥。窓を開ける、換気扇を回す、調理に火を使わない、暖房しない、風呂の湯を溜めない(湯気ね)、息を止める(結構な水蒸気ネ)‥など豊富なメニューがあります(‥ムリアルヨ)。

いずれにしても、十人十色の傾向と対策で、心地よく、穏やかな冬を過ごしたいものです。

ところで、表題にある言葉の羅列は何か意味あるんでしょうか?

「バーバル、ババババ‥? バー、バル?。そうか、意味は全部同じで、言語が違うということだな、ハハン。」

「バーはエイゴ、バルはスペイン語だろう。バールはわかる、エスプレッソだイタリアだ。」

「お次はババールか‥。バザールなら知ってるが、ペルシャ語でイチバだが‥」

「バルバル‥バルバルバルっ? うーん、ワカラン‥」

どうもスイマセン‥
Facebooktwittermail