1戸1エレベーター?

エレベーター降りると専用ホール。ペントハウスみたいですが、庶民派です。

以前に”2戸1階段”のお話をしました。覚えていますか?

そうです、向かい合う2住戸が1つの階段を使うマンションのことです。採光、通風やプライバシーが確保しやすく、プラン的にも良い。ですね。

なぜ再び2戸1の話なのか。それは、ちょっと面白い分譲マンションを思い出したからです。なんと1戸に1階段、というより1戸に1エレベーターです。要するにワンフロアに1住戸のマンション。かなりレアです。

僕が会社を設立した頃、ある不動産会社のマンション事業に関わりました。当時その会社は、全住戸に2つの玄関を設置するなど、単なる四角い箱ではない+αを生み出そうとしていました。そして僕が参加したのがワンフロア1戸で構成するマンションです。

2戸1階段を高層化した2戸1エレベーターでしたら、高グレードマンションで見掛けます。その場合の最上階2住戸分を占有するペントハウスが1戸1EVになることはあります。でも、本マンションのように全フロア1戸というのは珍しいです。だって、とても小さい敷地での事業でもあるということですから‥。

個人住宅を縦に積み重ねた集合住宅は、想いのある設計士によって伸びやかな空間となりました。また、EV停止階の制御やEV関連費用の低減策、専用ホールの管理方法など、小規模で特殊な物件のハードルを小さな工夫の積み重ねでクリア。結果として、ちょっと面白くてワクワクするマンションとしてご評価いただけました。

巨艦が主役のマンション事業に、競技用ヨットのような疾走感で挑んだ小さな出来事。予想外の住戸を目の当たりにしたお客様、みなさんの楽しそうな笑顔が印象に残っています。

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