代々木の杜から

正面に見えるは代々木の杜

ここはどこ?

実はウチの旧事務所。創業時から10年間に亘って、渋谷区代々木を本店所在地としていました。

写真データを整理していて見つけたもので、心なしかセピア色(データだからあり得ないが‥)。2009年の入居後間もない頃のものでしょう。まだ何もありません。‥というか、10年経っても何もないまま、様子も殆ど変わりませんでしたね(笑)。

ともあれ、これは当時の写真。窓の外、左隅にチラと見えるのは代々木の通称ドコモタワーです。このタワーはデザインが素敵で、基壇部は太く大きく、高層部に向かって段々に絞られています。そう、まるでマンハッタンで初期に建てられた高層ビルディングを彷彿とさせる、ちょっとクラシカルな印象があるのです。

夕闇が迫ると、窓外にこのタワーのシルエットが浮かび、その左手奥には西新宿高層ビル群が煌めいて見えました。たくさんの社員が集って働き、遅くまで灯りの消えない(自身もそこにいたはずの)ビル群を遠くに眺めては、一国一城の主(古っ!)になった感慨と、その裏腹に雑居ビルの一隅でポツーンと独りに、何とも言えない気分になったことを思い出します。‥これまた今でも変わらないのですが。

さて、この事務所のど真ん中に鎮座するのは、杉の厚い天板。長さは2枚合わせて4m超あり、事務スペースと接客スペースを連続させた大テーブルとしていました。今、これを眺めていて何か見覚えがあるなと思ったら‥。

そう言えば、昨年の物件(自社販売とリフォームサポート物件の両方)で造作したのが、長さ4m級キッチン。コンロやシンクだけでなく、家事や軽食など多用途カウンターを付設する木製大型天板です。旧事務所のレイアウトとなにやら似ています。どうやら「バーン!と長いの」が好きなのは当時から変わっていないようです。

それを言うなら、この旧事務所。床も杉無垢材を貼っているし、壁は漆喰のDIYです。なんだ、今のウチの物件と同じじゃないか。

ウチはまだ13年、老舗ではありません。でも先日の投稿でも挙げた、老舗を揶揄する「名物にうまいものなし」ではないですが、同じに見えながらも変わっていかなければいけませんね。

先日、僕より少し若い知人から連絡がありました。大手を辞めて会社を興したとのこと。そして、なんと偶然にも事務所は代々木に置いたというのです。手探りで、緊張した面持ちで一歩一歩確かめるように進むさまが、とても懐かしく感じられます。相当の覚悟を持ってひとりで歩き始めた、ボクの若い友人にエールを送りたい。「がんばれ!オイラも思い新たにガムバルぞ!」 年明けの青い空を仰ぎ、そんなことを思ったのでした。

あ、ちなみにボクの現在の事務所は代々木にはありません。いまはウルトラマンの街ですからね。じゃぁねー

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