水は青いか

北アルプスの山々を背にする盆地、安曇野。イメージするのは清冽な水と空気、そして光。日本のそんな場所で、企画から製造まで一貫して行われているPCがあります。

そう、VAIO。少し前にSONYから分離独立する形で歩き始めました。

安曇野といえばSONY時代のハイエンドPCの生産地。海外製造が全盛の時代に、Made in Japanとして安曇野から送り出されてる製品群がありました。

久しぶりにサイトを覗いてみたのですが、以前と変わらず、いやそれ以上にmade in 安曇野を突き詰めた取り組みが語られています。

なにより、舞台が安曇野であることが良いじゃないですか。松本、安曇野、上高地‥。静かな知性を感じさせる城下町とその周囲の圧倒的な自然。それを想い浮かべながら開くPCには、北アルプスの水が流れ、風が抜けるようです。アルプス伏流水がPC内を循環し冷却する、水冷式ノートPC。そんなんないか‥。

SONY時代と比べれば小さな会社となり、以前のようにファッショナブルで尖った製品群をラインナップすることは難しい。更に、今や汎用品と化したPC市場では、戦う土俵は限られている。VAIOはそんな困難な状況を承知の上で、日本の技を磨きぬくことで突き抜けようとしている、のだと思います(拍手)。(もちろん、PC以外の事業にも乗り出していることは言うまでもありませんが‥)

言ってみれば「レッドオーシャン」を、(裸一貫‥?)技術と信念で泳ぎ抜くような‥。

なんて、「高みの見物」よろしく外野から云々している場合ではアリマセン。ボクのいる不動産業界(特に再販、つまりリフォームして販売するというヤツね)、よく考えたら真っ赤っ赤ですよ、別の意味で。

「レッド」ではなく「ブルー」の分野を見出し(若しくは創り出し)、儲かるところに軸足を移していくことも経営には必要なことでしょう。でも、そうでないところで踏ん張る人達もいる。

赤くても青くても、どんな海にも人(魚か?)が暮らし、日々ひとりひとりとの対話があります。だからでしょうか、そういえばボクは自分のいる海をブルーだレッドだと考えたことがなかった。つまりボクは経営者ではないのでしょう。だってねぇ、好きな仕事で泳ぐ海がいまさら真っ赤だといってもねぇ‥。

点滴石をも穿つ‥。

ある時気づいて顔を上げたら「真っ赤に染まったこの海」が、かつての地中海がそうだったようにように「昔の青い海」に戻っていた、なんてことはあるでしょうかねえ。

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