エントランスホールが欲しいわ

まことに残念ですが、こちらのマンションにはエントランスホールはございません。

残念でした。ついでに言うと、エレベーターもありません。敢えて言おう、なんにもないゾ!

コの字型に配棟された、真っ白な低層3階建て。敷地南東角には小さな提供公園(開発に際して事業者が行政側に提供する公園)があります。いいですね、雰囲気の良い低層マンションの基本形と呼びたいくらい。

僕が何度か言及している2戸1階段、両面バルコニーの物件です。それと、P・P分離ができる中入り玄関の住戸プランになっています。以前に、この中の住戸をリフォーム販売しています。落ち着いたプラン、そして窓外の緑と空が、”低層マンションに暮らしてる感”をいい感じで醸していました。

もう一度言いますがエレベーターはありません。3階建てにEVは必要か、これはビミョーですね。今の新築マンションでは付けるのでしょう。「エレなしマンションとかあり得なーい」って言われますから‥。かといって全部の2戸1階段ごとに、それぞれEVを設置するという根性は、事業者にも購入者にもないでしょう。(※かつて僕は、そんな根性の入った低層マンションに暮らしていましたが、それはもう‥)

なぜ根性が必要かと言うと。事業者にとってはそのすべてが販売価格の上昇として跳ね返ってくる。そして購入者側は「いいのわかるけど価格高いわー、維持管理も高くて無理ムリ」となるからです。要するに、残念ながらそこまでやってもウケないということ。(※EVは買うのも、維持するのも高いのです。)

だからEVを1機だけ置き、2戸1階段ではなく階段は全体で2ケ所程度。そしてEVホールから、各階(といっても3フロアだけだが)の北側にぐるーっと廻した開放廊下を通って各住戸へ。これで全ての導線をセキュリティライン内に置くことができ、エントランスとEV用のホールも必要となるのです。

そんなこんなで、また開放廊下に面した部屋があるマンションが出来上がりました。その開放廊下と玄関・部屋の間には、吹抜けと称するスキマを設けて、プライバシーに配慮したプランとしました、となるわけです。

両面バルコニープランが比較的無理なく出来そうな3階建てなのに、やっぱりEVと開放廊下の誘惑(誰が誰を誘惑するのか?)には勝てないようです。すると写真のようなシンプルな建物が、ますます貴重に思えるのでした。

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