つくる‐たべる‐のむ‥

あーワイン飲みたい‥。この盛夏のお昼時、内覧していたお客様のつぶやき。

のどの渇きをワインで潤す。そういえばイタリアでは、水より安いワインが売られていることにびっくりした昔。更に聞くところでは、水が貴重な何処かでは、子供も水分としてワインを摂るとか。

ところで冒頭の弁は、単にのどが渇いている、という話ではなくて‥。

内覧の途中でダイニングに座って、マンション選びの雑談をしていた時のこと。ブラインドを上げて窓を開け放っていた室内を、何度となく風がサーッと抜けていく。「あーワイン飲みたい‥」。そうそう、たしかに。

風が抜けていく、窓外に緑を眺める。この心地良さ、他に何が必要だろうか!。そうだ、そうだ、それだけで充分だ!

いや、ちょっと待てよ、ワインとツマミが欲しいんだが!

リフォーム時に壁を抜き、間取りを整えたその住戸。その狙い通りに風が抜け、光が巡っています。ダイニングに座り、談笑しながら風を感じていると、設計時には想像だけだったこの住戸の心地良さが、実感として立ち上がってきて‥。確かに、この傍らにワインがあれば。さらに欲を言うならばツマミも‥。

上の写真は今回の住戸でなく以前の販売物件ですが、ここも気持ちの良い空間です。空と緑を見渡すオープンキッチンに立ち、目の前にあるダイニングに腰かけて、「あーツマミ作って、ワイン飲みたい」って言ってもらえたでしょうか。作って、食べて、飲む。また作って、食べて‥。何だか、飲んでばかりになってしまいましたが。

夕暮れ時のバル、白木が清々しい酒場‥、姿かたちを変えて(!)迫ってくる街の魅力(誘惑?)には抗し切れません。けれども、自宅を居心地の良い空間に設えることは、それらにも勝る心豊かな時間を与えてくれるはず。光が巡り、風が抜け、緑が映る‥そんな住戸をつくりたいですね。

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