余白

この住戸の専有面積は45㎡ほど。

今の水準で言えば、個室はひとつ。もしくは緩やかに区切る大きめのワンルーム、というところ。

でも、そんな小さな空間だからこそ、ひとつの世界を創ることができるはず。

床はすべてパインの無垢材。洗面やトイレも同じ。

壁と天井は、自然素材であるホタテ貝漆喰で塗装した。

そして機能はというと、水と湯が出て火が使える、としかいいようがない。文字に表すと、なんと単純なこと。もちろん、電気もあるけれど。

素朴さを表現する代表選手とも言えるパイン材と、眩しい白さの漆喰壁。特徴はそのふたつだけ。

言い換えると、余白の多い住戸か‥。

置きたかったあの家具が似合う部屋、自分色のテキスタイルが映える部屋だと思う。

小さな部屋の大世界。自分の手で創るには、丁度いい大きさじゃないか。

もしも、小さな部屋に納まりきらなくなったらどうしよう。そうなったら、はみ出したモノ、カネ、オモイを持って、どこかへ旅に出るというのがいいと思うけれど。

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