洗濯物は美しい‥か

昔むかし、建築家の宮脇檀さんが、どこかでこんな話を書いていた。

気持ち良く晴れた朝、窓の向こうを見遣ると、壁のように建つ高層団地。大半のバルコニーには色とりどり柄物の布団がダランと垂れ下がっている。せっかくの朝なのに、なんだ、この無惨な眺めは‥。

この残念な景色について、あるコラムに「なんでそんな醜いモノを人前にさらすのか、美意識の欠落なんじゃないの?それとも畳んで押入に入れるより手間が省けるからか?」とつい毒づいてしまったところ‥。

(主婦から)怒りの投書が来るわ来るわ。それらの多くは開き直って、「モノを干すのは人の営み、人間臭さである。人間的な暮らしのどこが悪いというのか。むしろ愛情の証。ナポリの下町ならば情緒があって良い、とオマエも言うのだろうが」というものだった、と。

それに対して宮脇さんは、それは論理のすり替えであると。人間臭いことは良いことだから、醜いものでも丸出しでよい、なんて話が通るのか。そんな人に限って、日常生活は美とは別物だワ、と汚れた食器はシンクに突っ込んで、美術館に行くというわけか。美と生活は別の世界のものではない。普通の暮らしのなかにも美しさがあって‥、と書いています。

うーむ、これはもう昔のハナシ、暮らしぶりも価値観も当時とは大きく変わっているから、今更どうだと言うことはない。でも、やっぱり僕はきれいな方がいいけどな。確かそのコラムでも、団地の満艦飾を尻目に、本人はベランダの低い位置に洗濯を干して‥という記述があったような‥。

もちろん、バルコニーの天井から物干し竿を吊って、ワーッと干すのが一番乾きが良いのでしょう。でも、洗濯物の隙間から太陽と景色を望み、それ以外の時は物干し竿を眺めて暮らすのもちょっとモッタイナイ感じ。

という訳で、隠せるなら隠しましょうか。外からの景観だけでなく、リビングからの景色もスッキリするといいですね。

そこで、取り出したるはイタリア製の折り畳み式、物干しスタンド。広げれば3m物干し9本分の長さに相当する、46本の物干しバーで大量の洗濯物を干すことができます。高さは約1mで、バルコニー、室内ともにOK。収納時の幅14cmとスリムなので、使い終わるとあっと言う間に姿を消します。キャスター付きなので、見えないところへゴロゴロと。室内外移動も簡単です。

僕も10数年間に亘り継続使用中で、殆どこれ1台。30年以上前からのロングセラーだそうです。また、市販の洗濯ばさみが次々と紫外線で割れていくなかで、プラ製付属品は丈夫だし。ほかにも似た製品が出ているでしょうから、そのあたりはお好みで。

伊FOPPAPEDORETTI社(フォッパペドレッティ社)の物干しスタンドのご紹介でした。

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