走り、旬、名残り

色づいた葉が秋の雨に濡れて、はやくも歩道を染めています。‥‥ってここはどこ?

これは数年前の写真です、失礼しました。川崎北部に位置する多摩丘陵の一角です。時は11月上旬だったはず。今からだと、まだ1か月も先ですね‥。

ここ1週間ほど、金木犀(きんもくせい)が強く香り、朝晩はしっかりと涼しくなってきました。気の早い僕は、色づいた樹々の写真を引っ張り出し、目まぐるしく移り変わっていく季節のはしりを‥。

「走りです」と旨いものをいただくのは嬉しいけれど、写真なんぞ見せられてもナンですな。”走り”の写真なんて聞いたことないぞ! 旬でいいんだ。いや!旬がいいんだよ!

でも、季節感はさておき、如何ですか。リフォームした住戸の南側バルコニーからの眺めです。

芽吹き、新緑の季節、盛夏の頃を過ぎて、そして今があり、ひと月先にはこの景色に変わる。そんな季節の巡りをただ眺めるだけでも、充分に「旅ができる住戸」です。

「たびができるじゅうこ」、なんかよくないですか?

いま思いついたこのフレーズ、それはある文句が頭をよぎったから。おそらく30年近く前、あるスポーツシートメーカー(後年、ノムさんが楽天球場で座ってたナ)の広告。その一文は(たしか‥)「移動ではない、旅ができるシートだ」。海の見える田舎道、傍らにはカエル的スポーツカー(だった気がする)。ズーっと遠くまで走って行けそうな、行きたいような気分‥。

「移動はできない、だが旅ができる住戸だ」。レカロよろしく、アームチェアを窓際に引っ張り出して、小さなサイドテーブルには旅のお供を。

それでは、どうぞ良い旅を。

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